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<3>政府が石炭利用を進めている!

3.石炭利用を推進する政府

“3E”ってなんかヘン

日本のエネルギー政策は、3E、つまり、安定供給(Energy Security)、経済性(Economic Efficiency)、環境適合性(Environment)を基本としてきました。そして、各電源の特徴を生かしてバランスよく組み合わせる「ベストミックス」が重視される中で、化石燃料の利用は重要だと位置付けられてきたのです。 でもその結果、気候変動問題が大きな問題になっても、安定的なエネルギーの確保のためにと、石炭利用が進められてきました。3Eの下では、「安定供給」や「経済性」が優先され、「環境適合性」は後回しにされてきたのです。

CO2対策は、特になし

石炭火力発電はCO2を多く排出しますが(<5>を参照)、政府は、そのために石炭発電の利用を控えることはしてきていません。2003(平成15)年には、環境問題への認識の高まりを受けて、石油税にあらたに石炭が加えられました(石油石炭税)が、それでも石炭が安いという実態はかわっておらず、利用が増える傾向は止まっていません。 EU(欧州連合)では、CO2排出に上限をかけるしくみ(キャップ&トレードの排出量取引制度)があり、CO2を多く出す事業は抑制する動機づけがあります。また、アメリカのオバマ大統領も、石炭火力発電のCO2排出規制を検討しています。しかし日本には、そのような動きはまだありません。

環境対策は「技術革新」で解決?

政府は、石炭利用を続けながら、技術革新でCO2を減らそうとしています。最新の石炭火力発電は高効率になったとうたっています。また、さらに、石炭発電の性能をこれからもっと良くして、高効率な石炭ガス化複合発電(IGCC)を実用化することを目指しています。また、排出されるCO2を分離・回収して、長期間地下へ貯留することで大気中へのCO2排出を抑制する二酸化炭素回収・貯留技術(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)の実証試験なども進めています。 しかし、これらは本当の解決策でしょうか? どんなに最新鋭といっても、なお大量にCO2を出します(<5>を参照)。そして、IGCCは、長い間の実験を続けているにもかかわらず、1基がようやく実用化に向けて動きだした段階です。CCSに至っては実用化はしばらく先で、いずれも今すぐ使える技術にはなっていません。

<石炭ガス化複合発電のしくみ>

現在の石炭火力発電が石炭をボイラ内で燃焼させ蒸気を発生させタービンを回して発電機を回すシステムであるのに対し、IGCCではガス化炉とガスタービンの設備を追加することで、石炭をガス化して燃焼させることでガスタービンを回し、高温の排ガスで蒸気を発生させ蒸気タービンを回すシステムにするものです。これによって、熱効率をさらに向上させることができるとされています。 1-3ボイラ21-3ボイラガスタービン2

   従来の石炭発電所              IGCC

(出典:「火力発電について」平成24年2月 資源エネルギー庁) (出典:クリーンコールパワー研究所 http://www.ccpower.co.jp/igcc/about.html

地球温暖化対策と矛盾する石炭推進

政府は、地球温暖化対策として、2050年に1990年とくらべてCO2などの温室効果ガス排出量を80%削減することを決めています。発電所は、一度建設すると長期間(約40年間)動き続けます。2050年まで動き続け、大量にCO2を出す発電所をつくることを今決めることは、矛盾していませんか? 今から建設するなら、石炭火力発電ではなく、持続可能な電源に転換しないと、2050年80%削減の道はもう閉ざされてしまいます。